「アクチュアリー試験終わったー!!!」
1年間お疲れさまでした!
ごゆっくりおやすみください。
試験が終わった瞬間に、他の勉強のやる気が出てきました
なんかおすすめのものを教えて!
あるあるですね(笑)
今回はアクチュアリー試験が終わった人に向けて、
「おすすめの学習内容」
について話ができればと思います
はじめに
試験終わったみなさま、今年もお疲れさまでした!アクチュアリー試験に向けて、精一杯勉強して疲れているかと思いますが、試験終わったあとに、他の勉強をしたくなるのは、あるあるだと思います。
また、アクチュアリーとして働く上では、アクチュアリー試験以外にも、色んな領域の勉強が役に立ちます。試験が終わって時間があるときだからこそ、アクチュアリー試験とは関係ない分野を勉強するのも、キャリア形成の面で有効かと思います。
そこで今回は、アクチュアリー試験が終わって他の勉強がしたくてたまらない人に向けて、私がおすすめする学習内容について、お話できればと思います。
おすすめの学習内容
①資産運用
アクチュアリーとして働くうえでは、資産運用に関する知識やスキルは必須です。また資産運用は、自分の資産を増やすという観点からも、早めに取り組んだ方がよいと思います。
アクチュアリーの業務では、予定利率の設定やALMの業務を行うときに、資産運用の知識が必要とされます。
・予定利率の設定
予定利率を設定する際には、商品のキャッシュフローに基づいて、債券をどう運用するのかを知っておく必要があり、資産運用の知識が必要です。特に近年は外国金利の上昇から、一時払外貨建保険のプライシングに携わる人も多いので、債券運用をはじめ、資産運用全体の知見が必要となってきます。
・ALM(資産負債管理)
ALMとは、保険会社等の資産運用を行う上で、資産と負債のバランスを最適に管理することを指します。資産運用の知識がなければ、自分の会社がどうやって運用しているかが把握できませんし、会社のさらされているリスクを理解することができません。
したがって、アクチュアリーとして働くうえでは、最低限の資産運用知識は必要です。特に、予定利率の設定やALMについては、アクチュアリー試験の2次試験でも重要なテーマなので、正会員を目指している方は早めに勉強した方がよいでしょう。
資産運用の知識を得る方法として、「書籍で独学」「セミナーを受ける」等あるかと思いますが、私がおすすめしているのは、「自分で投資をする」ことです。実際に自分で投資を始めることで、「なぜ株価は下がったのか?」「なぜ金利が上がったのか?」などを、疑問に思い、勉強していくことになります。自分で運用を始めることで、資産運用の基本的な考え方や、経済状況などを肌で感じることができるでしょう。
つまり個人投資家として市場に参加することが、資産運用の知識を身に着けるために効果的だと思います。2024年からは新NISA(少額投資非課税制度)も始まります。これを機に、証券口座を開いてみるのはいかがでしょうか。
また、資産運用について腰を据えて勉強したい方には以下の書籍がおすすめです。株式市場の歴史からどういう風にリスクを抑えて投資ができるかを学ぶことができます。私もこの本を読んでから資産運用を始めました。
②簿記試験
アクチュアリーを目指すうえでおすすめの資格としては、簿記試験があります。簿記3級もしくは2級が難易度としてよいかなと思います。
特に、会計・経済・投資理論(KKT)の会計を勉強するうえで役に立つことが多いため、取得しておいてもいいかもしれません。(私は勉強だけして受験はしていません。)
以前のKKTの勉強方法の記事でも、初学者には簿記3級を勉強することをおすすめしています。
また、業務や2次試験においても、会計の知識(財務諸表を読める)は重要です。決算業務はもちろん、収益検証やリスク管理においても、財務諸表を読める(作れる)能力は欠かせません。
もし次のアクチュアリー試験まで、余裕がある方は、簿記3級や2級の受験を検討してみてもよいかもしれません。
簿記3級の初学者には、次の書籍がおすすめです。私もKKTを勉強する前に、2周しました。
③データサイエンス
アクチュアリーとして働くうえでは、データ分析能力は必須です。IAA(国際アクチュアリー会)の教育シラバスを見ると、データサイエンスにまつわる項目が入っており、データサイエンスが重要視されています。今後、日本のアクチュアリー試験に、データサイエンスにまつわる科目が導入される可能性もゼロではありません。
実際に、データサイエンスの知識は、「ビッグデータ活用」「予測モデルの生成」といったアクチュアリーの業務に直接役に立ちます。
・ビッグデータの活用
アクチュアリーの仕事では、数百万を超える契約件数のデータなど、膨大な量のデータを扱います。データサイエンスの知識があれば、ビッグデータを活用して、リスクの評価やプライシング、収益性の分析などを行うことができます。
・予測モデルの開発
アクチュアリーの仕事では、将来の死亡率・損害率などを予測することがあります。これらの予測を行うために機械学習モデルを組むことがあり、データサイエンスの知識が必要です。
保険業界で働いていると痛感しますが、データサイエンスの知見を持っているアクチュアリーは、市場価値がかなり高いです。市場価値を高めるためには、「スキルの掛け算」が重要とよく言いますが、アクチュアリー×データサイエンスは、親和性も高く、今後も必要とされる人材だと思います。アクチュアリーとしての市場価値を高めるために、データサイエンスに本腰入れて勉強をすることを、強くおすすめします。
本格的にデータサイエンスを学ぶなら、腰を据えて↓の本を取り組むことをお勧めします。私もこれを実際に1通りやってみました。(まだまだ実務経験が足りませんが・・・)
④英語
アクチュアリーは国際的な資格であり、英語が使えることで、アクチュアリーとしての市場価値を大いに高めることができます。英語が使えると、海外赴任のチャンスができたり、外資系の保険会社等で活躍する機会を得ることができます。
また、第33回国際アクチュアリー会議(ICA2026)は、50年ぶりに東京で開催されます。日本アクチュアリー会を代表して、海外のアクチュアリーの方と接点が持てるよい機会だと思いますので、ここに焦点をあてて、英語の勉強に取り組んでみてもよいと思います。(私もその1人です)
私は学生時代から英語に触れておらず、そもそもリスニングが苦手だったので、TOEICの勉強から始めました。個人的には、久しぶりに英語を学習する場合は、TOEICの勉強がおすすめです。みなさんご存じの通り、TOEICは点数が可視化できるので、モチベーションを保つことができます。
TOEICの勉強は、書籍などを使ってもできると思いますが、スタディサプリというアプリがおすすめです。スマホで勉強できるので、電車の中などでも気軽に演習ができるので、継続して勉強をすることができました。私は、目標としていた800点を取得することができたので、今は英会話にシフト中です。
もしこれから、TOEICの勉強を始める方は、スタディサプリ活用してみてはいかがでしょうか。
TOEIC3ヵ月以内に100点以上UP!スタディサプリENGLISH⑤マーケティング
商品アクチュアリーとして働く場合には、保険数理やリスク管理の知識だけでなく、マーケティングの知識が必要です。
商品アクチュアリーは、新商品企画の段階からプロジェクトに参画することが多いです。商品開発をするためには、顧客ニーズや市場動向などを把握する必要があります。マーケティングの知識があれば、顧客のニーズや、現在の市場環境に合った商品開発に寄与することができます。
また、保険料設定(プライシング)をする際にも、マーケティングの知識があれば、収益最大化、競合他社との比較、顧客心理などの観点からプライシングを行うことができます。
近年のインターネットや乗合代理店チャネルなどでは、保険商品の比較が容易に行われるため、マーケティングの視点をもったアクチュアリーの存在意義は年々高まっています。商品開発や経営企画に興味のある方は、一度マーケティングの勉強をやってみてもよいかと思います。
私はこの本からスタートしました。
こちらの書籍も有名です。数学ができるマーケターには重宝されており、アクチュアリーにはこちらの方がなじむかもしれません。マーケティング初心者には難しいですが、いずれは読みたい1冊です。
⑥運動
アクチュアリーの仕事は、頭脳をフルに使う、典型的な頭脳労働です。また、仕事だけでなく、アクチュアリー試験についても、3時間集中力を維持し続ける必要があります。そのため、アクチュアリーとして、集中力を高位に維持するための工夫が必要です。そこで私がおすすめしているのが、運動です。
実際に運動が脳に良い影響を与えることは科学的にわかっています。運動をすると、認知機能を向上させ、集中力・記憶力・情報処理能力などが高まり、仕事のパフォーマンスや試験勉強の効率が上がります。
また、運動はストレス解消にも効果的です。アクチュアリーの仕事は強い責任を伴いますし、アクチュアリー試験は年1回とプレッシャーが大きいです。そのため、ストレスを軽減して、自分のパフォーマンス高めるために、運動は効果的です。
運動といっても人それぞれ得意不得意があるので、自分のできそうなところから徐々に始めてみましょう。私は筋トレとランニングがおすすめですが、苦手なら朝の散歩などから始めてみてください。
もし運動を始めるなら以下の書籍を参考にしてみると、取り組みやすいかもしれません。
⑦キャリアについて考える
昔は、一度就職したら定年まで同じ会社で働くことが当たり前でした。しかし、近年では、転職が当たり前の時代になっています。今までのメンバーシップ型雇用から、ジョブ型雇用に各社移行しつつあります。特に専門職であるアクチュアリーの転職市場も、年々活発になってきています。
こうしたアクチュアリーの転職しやすいというメリットを活かして、より自分の希望に合った仕事や働き方を見つけることが自分の幸せにつながってくると思います。そこで皆様にも、アクチュアリーとして、どういう風に働きたいかを考えてもらい、自分のキャリアを主体的に築いてほしいと思います。みなさまはどういうキャリアを今後歩みたいですか?
- 専門性をより高めて、アクチュアリーの分野で活躍したい
- 幅広い知識やスキルを身につけて、アクチュアリー以外の分野でも活躍したい
- 今の会社で出世したい
- 自分の興味や関心を仕事に活かしたい
- ワークライフバランスを重視したい
自分の希望を明確にすることで、キャリアプランを立てやすくなります。アクチュアリーは、キャリアを主体的に築くことができることが魅力ですので、「将来どうしたいか」を時間にゆとりのある今だからこそ、落ち着いて考えてもらえればと思います。
転職活動や自分のキャリアを見つめるうえでは、以下の書籍がおすすめです。
⑧CERA試験
CERA(Chartered Enterprise Risk Actuary)は、アクチュアリーが取得できるERM(エンタープライズ・リスクマネジメント)に関する国際資格です。CERA資格の取得には、アクチュアリー正会員となる必要がありますが、準会員でもCERA試験の受験は可能ですので、将来CERAを取りたい準会員や正会員の方は、この時期から勉強を始めてもよいかなと思います。
CERA試験を受けることでリスク管理に関する専門知識を身につけることができます。またCERA資格を取得すると、ERMの専門家として認定されるので、アクチュアリーとしてのキャリアアップにつながります。リスク管理の知識は、保険会社だけでなく、事業会社からのニーズもあります。私自身は、CERA資格を持っておりませんが、リスク管理の専門家として、幅広い業界で働きたい方にはおすすめの資格です。
詳しくは、日本アクチュアリー会のHPをご確認ください。
おわりに
今回は、アクチュアリー試験が終わって、「なにかやることないかなぁ」と思っている方におすすめの学習内容をご紹介しました。
「資産運用」「簿記試験」「データサイエンス」「英語」「マーケティング」「運動」「キャリア」「CERA」の8つを紹介しました。1つでもあなたの気になった分野があれば、勉強を始めてみて下さい。鉄は熱いうちに叩きましょう。
私もまだまだ色んな分野を勉強したいなと思っています。おすすめの分野や教材があれば、是非ともコメント欄で教えて下さい。
アクチュアリーのみなさまの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきましてありがとうございました!
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