KKT(会計・経済・投資理論)の勉強方法【アクチュアリー試験】

学生
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アクチュアリー試験のKKT(会計・経済・投資理論)に受かるために何したらいいか分からない…

Donald
Donald

任せてください

本日は、私が正会員になってわかったKKTの勉強方法をご紹介します


KKT(会計・経済・投資理論)は、1次試験のなかで唯一、分野ごとに最低ラインが設けられている科目です。3つの分野を、どの順序で、どこまで仕上げればよいのかが見えにくく、手が止まりやすい科目でもあります。この記事は、2026年9月に最新の動画の内容をもとに加筆しました。同じ内容を動画でも解説していますので、あわせてご覧ください。

【お知らせ】2027年度から、アクチュアリー試験の1次試験の科目構成と試験時間が変わります。「会計・経済・投資理論」は、「会計・経済・金融システム」と「リスクマネジメント・投資理論」の2科目に再編されます。ご自身の受験状況にどう影響するかは「アクチュアリー試験の制度改正|新科目とみなし合格を正会員が解説」で解説しています。

結論:会計は教科書の暗記、経済と投資理論は過去問15年分

KKTの勉強のゴールは2つあります。ひとつは、経済と投資理論について「過去問15年分を、2時間半で9割取れる状態」を作ること。もうひとつは、会計について『財務会計講義』の内容を覚えきることです。会計は過去問がそのまま出ることが少ない分野なので、過去問演習だけでは仕上がりません。

進め方は3分野とも同じで、「指定教科書を読む → 問題集で計算問題を固める → 過去問を回す」という順序です。3月に勉強を始めるなら、8月末までに教科書と問題集を2周し、9月から過去問に入って3周する、というのが私が指導でお伝えしている目安です。

過去問は日本アクチュアリー会のホームページで無料で公開されています(場所はこの記事の後半でご案内します)。勉強時間の配分は「会計:経済:投資理論=6:1:3」が目安です。会計で最低ラインを超えることが、この科目で一番大変なところだからです。

「KKT」試験概要

まずは「KKT(会計・経済・投資理論)」の試験概要を紹介して、その後勉強方法について解説していきます。「試験概要なんてわかっているよ!」という方は飛ばしてください。

細目(出題範囲)

出題範囲は試験名からわかる通り「会計」「経済」「投資理論」の3つに分かれています

会計
  • 財務会計の機能と制度
  • 利益計算の仕組み
  • 会計理論と会計基準
  • 利益測定と資産評価の基礎概念
  • 現金預金と有価証券
  • 売上高と売上債権
  • 棚卸資産と売上原価
  • 有形固定資産と減価償却
  • 無形固定資産と繰延資産
  • 負債
  • 株主資本と純資産
  • 財務諸表の作成と公開
経済
  • ミクロ経済学
    • 需要と供給
    • 需要曲線と消費者行動
    • 費用の構造と供給行動
    • 市場取引と資源配分
    • ゲームの理論入門
  • マクロ経済学
    • 経済をマクロからとらえる
    • 有効需要と乗数メカニズム
    • 貨幣の機能
    • マクロ経済政策
投資理論
  • 投資家の選好
  • ポートフォリオ理論
  • CAPM
  • リスクニュートラル・プライシング
  • デリバティブの評価理論
  • 債券投資分析
  • 株式投資分析
  • デリバティブ投資分析

教科書

会計

<教科書>

  • 財務会計講義(第27版)
    桜井久勝 著
    (中央経済社)
    第1章~第12章

2026年度試験の指定は第27版です(2025年度の第26版から改訂されました)。『財務会計講義』はほぼ毎年改訂がありますので、受験する年度の指定版を日本アクチュアリー会のホームページで確認してください(出典:日本アクチュアリー会「2026年度資格試験要領 別紙(1) 試験科目・内容および教科書・参考書」 https://www.actuaries.jp/examin/2026exam/2026-B1.html )。

以下のリンクは第25版のものです。購入するときは、受験する年度の指定版をご確認ください。

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経済学

<教科書>

  • 入門|経済学(第4版) 
    伊藤元重 著
    (日本評論社)
    Part 1の§1~§4、§8
    Part 2の§9~§12
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投資理論

<教科書>

  • 新・証券投資論Ⅰ 理論篇
    日本証券アナリスト協会 編
    小林孝雄 芹田敏夫 著
    (日本経済新聞出版社)
    第1章~第3章、第5章、第7章
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  • 新・証券投資論Ⅱ 実務篇
    日本証券アナリスト協会 編
    伊藤敬介 荻島誠治 諏訪部貴嗣 著
    (日本経済新聞出版社)
    第1章、第2章、第4章
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アクチュアリー会のホームページに載っている教科書は以上です。

3分野とも、教科書の全範囲が出題されるわけではありません。上の一覧に書かれている章に絞って勉強してください。指導をしていると、範囲外まで読み込んで時間を使ってしまう方をよく見ます。

KKTの場合、教科書を買うのは必須です。
一つ気を付けてほしいのは、財務会計講義に関してです。毎年改訂するので、1年程度、版が古くても問題ないと思いますが、改定された部分が出題されることもありますので、どこが変わったかは確認しておきましょう。

教科書以外の参考書

指定教科書は読んで覚えるための本で、計算問題の演習量は足りません。そこで私は、演習書として『アクチュアリー試験 合格へのストラテジー 会計・経済・投資理論』(アクチュアリー受験研究会。受験生の間では「合スト」と呼ばれています)を使うことをおすすめしています。必須知識&公式集と問題集の2冊構成で、問題集は過去問の類題を丁寧に解説しています。

ただし、合ストは計算問題が中心ですので、これだけで暗記までは進みません。語句問題や正誤問題の対策は教科書側で行い、合ストは計算問題を固めるために使う、という役割分担にしてください。問題集は全問解けるようにしておきたいところです。

合格点・試験時間

会計25点経済25点投資理論50点の合計100点満点です。
合格点は60/100です。たまに合格点が55点などに引き下がることもありますが、基本は60点です。

注意してほしいのは、一次試験で唯一足切りがあり、各分野の40%に満たない場合は不合格です。具体的には、以下の点数です。

KKTの足切り
  • 会計:10点
  • 経済:10点
  • 投資理論:20点

後述しますが、会計の10点を超えるのが、一番大変です。不合格者の多くがここに苦しんでいる印象があります。

試験時間は3時間です。アクチュアリー試験はすべての科目が3時間なので、複数科目を受ける場合、体力をかなり消耗します。

合格基準は、公式には「各科目の満点の60%を基準として試験委員会が相当と認めた得点」以上と定められています。そのうえで、1次試験のうち分野ごとの最低ラインがあるのは「会計・経済・投資理論」だけで、「会計」「経済」「投資理論」のいずれか一分野でも「分野ごとの満点の40%を基準として試験委員会が相当と認めた得点」に達しない場合は不合格になります(出典:日本アクチュアリー会「2026年度資格試験要領 本紙」 https://www.actuaries.jp/examin/2026exam/2026-H.html )。

2026年度の「会計・経済・投資理論」は、12月10日(木)14時30分開始、試験時間180分です。試験はCBT(コンピューターを利用した試験)方式で実施されます(出典:日本アクチュアリー会「資格試験情報」 https://www.actuaries.jp/examin/info.html )。

「KKT」合格の基本戦略

「KKT」に関しては、一次試験で唯一足切りがあるので、
どの分野で何点取るかという戦略性が必要になってきます。
年によって分野ごとの難易度が異なるので、断定はできませんが、一般的な基本戦略は以下です。

KKT基本戦略
  • 会計:10点~15点
  • 経済:15点~25点
  • 投資理論:30点~40点

「経済」「投資理論」に関しては、過去問をきちんとやれば、高得点がとれる分野です。

ただし、近年の経済は、ゲームの理論の問題が難しくなってきている印象があります。ここは教科書の該当箇所と問題集で、少し厚めに対策しておきたいところです。

投資理論は微分積分を使う計算問題が中心で、計算量も多い分野です。試験時間は一見余裕がありそうに見えますが、1科目のなかに3分野が入っているため、時間配分を誤ると投資理論の終盤を解ききれません。過去問を解くときは時間を測って、3分野をどの順番で何分ずつ解くかを決めておきましょう。

一方、「会計」に関しては、分厚い『財務会計講義』から出題されるので覚えることが多いかつ、過去問に類似した出題が少ないので、高得点を狙いにくいです。しかも配点が25点なので、「会計」に力を入れるのは正直コスパが悪いです。

したがって、「経済」と「投資理論」で50点以上を目指して、「会計」では10点+αをとれるようにするのが基本戦略だと思います。

この基本戦略でいっても、会計でコンスタントに10点をとるのが一番大変ですので、実際の勉強時間は

「会計:経済:投資理論=6:1:3」

が目安かと思います。

この基本戦略を参考に、ご自身の勉強計画を立ててみて下さい。

「KKT」各分野の勉強方法

これから実際の勉強方法に移ります。

勉強方針としては、試験前に「過去問15年分を2時間半で9割以上とれる」という状態を目指します。これで1次試験は突破することができると思います。詳しくは過去の記事もご参照下さい。

「KKT」でも、試験日までに、「過去問15年分を2時間半で9割以上とれる」状態になれるよう、逆算して、勉強していきましょう。(後述しますが、「会計」に関してはこれだけでは不十分です

それでは、私が推奨する勉強方法を「会計」「経済」「投資理論」の順に紹介していきます。

「会計」勉強方法

「会計」勉強方法

①(会計初学者)簿記3級の勉強をする

②(会計初学者)会計に関する薄い書籍を2冊程度流し読み

③財務会計講義を覚える

④過去問を解く

順に解説していきます。

①簿記3級の勉強をする

『財務会計講義』を持っている方はわかると思いますが、かなり重厚で読むのが大変です。しかも会計の概念が分からない方は、いきなり読んだら理解しにくいと思います。

そのため、私は会計初学者には簿記3級の勉強をすることをおすすめしています。実際に資格を取る必要はありません。簿記3級向けの薄い書籍を2周する程度で良いです。これで会計の雰囲気を理解できるようになります。

私はいわゆる「パブロフ簿記」で勉強しました。イラストも多く、広く浅く勉強するのに便利でした。アプリもあるので、短期間で詰め込むことができました。ただ、人それぞれ好みがあると思うので、ご自身にあった本を探してみて下さい。

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②会計に関する薄い書籍を2冊程度流し読み

パブロフ簿記を2周したあとに、財務会計講義を読んでみました。簿記の勉強をする前よりは、読むことはできましたが、それでも読むのが辛くて、かつ内容を理解することができませんでした。(逃げかもしれませんが…)

そこで私は、「一つの分野をある程度理解するには、薄い本を3冊流し読みするのが最も効率的」だというのを思い出して、これを実践しました。

幸い、会計に関しては、色んな書籍があるので、楽しんで勉強することができました。(私の性格上、財務会計講義の1冊だけだと飽きてしまうので…笑)

私が流し読みした書籍は以下の3冊です。財務会計講義を読むのに苦しんでいる方は参考にしてみて下さい。1冊読むだけでも財務会計講義にとっつきやすくなると思います。

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特に3冊目の『会計学入門』は、『財務会計講義』の著者「桜井久勝」さんが書いたものであり、『財務会計講義』の要約版のようなものです。なので、財務会計講義を読む前にはこちらを読んだ方が全体像を早めに理解することができます。(薄いのでやる気が出ます笑)

③『財務会計講義』を覚える

覚えるというのは少し抽象的ですが、試験に受かるための覚え方は以下の2つです。

『財務会計講義』の覚え方

ア.語句を緑ペンで塗り、赤シートで隠して、読みながら覚える

イ.設例の仕分けを自分で再現できるようにする

ここで、「会計」の実際の試験での出題方式は以下の3つのパターンです。

「会計」の出題方式

a.語句穴埋め

b.正誤問題

c.設例に基づく計算問題

出題方式aとbについては、『財務会計講義』の覚え方「ア.語句を緑ペンで塗り、赤シートで隠して、読みながら覚える」で対策をします。

出題方式cについては、『財務会計講義』の覚え方「イ.設例の仕分けを自分で再現できるようにする」で対策をします。

会計の点数は『財務会計講義』の習熟度に比例して上がっていきます。分厚くて大変だと思いますが、「財務会計講義」の暗記が合否を分けますので、頑張っていきましょう。

④過去問を解く

「③財務会計講義を覚える」と並行して過去問を解いていきましょう。

注意してほしいのは、昔の問題は、法令の変化などにより、過去と今では解答が異なることがたまにあります。また、過去問がそのまま出ることが他の科目と比べて少ないので、過去問対策だけでは不十分となる分野と言えるでしょう。

したがって、「会計」に関しては直近5~10年程度の演習にとどめておき、勉強の主軸を「③財務会計講義を覚える」に置くことが必要です。

「経済」の勉強方法

「経済」勉強方法

①教科書を読む(章末問題を解く)

②過去問を解く

①教科書を読む(章末問題を読む)

まずは教科書を読みましょう。他の科目や分野と比較して、かなり読みやすいので、教科書1冊で十分かと思います。(試験範囲外ですが、コラムとか面白いです笑)

ただ、教科書を読む際には、「章末問題」にも取り組んでおきたいところです。章末問題の数値を変えただけの問題が実際に試験で出ますので、章末問題を解くことで過去問へのアプローチもしやすくなります。

②過去問を解く

そして過去問を解いていきましょう。「経済」と「投資理論」に関しては、「会計」と異なり、過去問演習が超重要です。

教科書の章末問題が解けたら、ある程度、過去問は解けると思います。しかし、過去問特有の問題もありますので、過去問の対策がさらに重要です。

「過去問15年分を9割解ける」ように過去問演習を繰り返していきましょう。

「投資理論」の勉強方法

「投資理論」勉強方法

①教科書を読む(語句を覚えながら)

②過去問を解く

①教科書を読む(語句を覚えながら)

まずは教科書を読みましょう。経済と比較すると、少し読みにくいですが、上巻の最初の方は読みやすいです。(ブラックショールズあたりを読むのに大変苦労した記憶があります。

最初は教科書が理解できなくても問題ないです。教科書を読むだけでは、理解できないことが多いと思いますが、実際に過去問を解いていく中で理解できることが多いので、1周目は、完璧を目指さず、広く浅く読むことをおすすめします。

2周目以降(過去問を解きながら)に、教科書を読む際には、語句を覚えることを意識しましょう。具体的には、緑ペンで塗って赤シートで隠しながら読むのがよいと思います(会計と同じです)。投資理論の問題のほとんどは計算問題なのですが、正誤問題や語句問題が50点中8点程度出題されます。近年の正誤問題は未出や捻った問題が出ますので、入念な対策が必要です。

②過去問を解く

教科書を1周読んだら、過去問を解いていきましょう。「投資理論」に関しても、過去問演習が超重要です。

計算問題については、捻った問題が出しにくいので、過去問に似た問題がほとんどです。そのため、「過去問15年分を9割解ける」ように過去問演習を繰り返すことで最短で合格点に近づくことができます。

過去問の解説を読んでもわからない部分は、教科書を読んで、理解できるようにしましょう。それでも分からない場合、最初は飛ばしてよいと思います。1周目でわからなくても、他の問題を解いていくうちに周辺知識が身について、2周目にすんなり理解できるということもあります。

また、過去問演習については、できた問題とできない問題を分類して、できない問題を中心に復習するのが効率が良いと思います。

あと、間違えた問題に対して「なぜ解けなかったのか」「どうすれば解けたのか」1つのノートにまとめておくことをお勧めします。
例えば、「この公式を覚えていたら解けた!」や「この発想は自分にはなかった」と復習で判明したら、その公式・解法をノートに書き留めておきます。これをたくさんの問題で繰り返していくことで、自分専用の公式集・解法集ができあがります。このノートを覚えることで、演習スピードも上がりますし、試験前の復習として十分活用できます。
まとめ方は人それぞれですが、「解けない問題をどう解けるようにするのか」を過去問の採点のときには意識してください。決して、点数を付けるだけで満足しないようにしましょう。

KKTの過去問はどこで手に入るか

過去問は、日本アクチュアリー会の「資格試験過去問題集」でPDFとして無料で公開されています。会員登録も費用もかかりません(https://www.actuaries.jp/lib/collection/)。

「会計・経済・投資理論」という科目名の過去問は1990年代の年度まで遡って掲載されていますので、15年分をそろえるのに困ることはありません。2025年度から数えると、2011年度(平成23年度)までが15年分にあたります。

紙の冊子での販売や配付は行われていないため、紙で解きたい方は自分で印刷することになります。また、掲載されているPDFは誤植の訂正などで差し替えられることがあります。ページの上部に修正履歴が載っていますので、手元のファイルが古くなっていないかを、ときどき確認してください。2026年7月にも、複数の年度の「会計・経済・投資理論」の試験問題解答集が差し替えられています。

公式の過去問だけでは詰まる理由

公式の過去問には解答例が付いていますので、答え合わせはできます。それでもKKTの場合、次の3つの理由で手が止まりやすいです。

1つ目は、解答例が簡潔なことです。投資理論の計算問題には途中式が載っていますが、なぜその式を立てるのかという部分までは書かれていません。立式の発想が出てこないときは、教科書に戻って考え方を確認する必要があります。

2つ目は、会計の古い年度です。法令や会計基準の改正によって、当時の解答例が現在の基準では正しくない年度があります。古い年度の解答をそのまま覚えてしまうと、かえって遠回りになります。会計の過去問演習を直近5〜10年程度にとどめることをおすすめしているのは、このためです。

3つ目は、会計では過去問と似た問題が出にくいことです。経済と投資理論は過去問演習がそのまま得点につながりますが、会計は過去問を何周しても、『財務会計講義』を読んでいなければ答えられない問題が出ます。会計だけは、過去問ではなく教科書が主軸です。

何年分をどの順序で解くか

目標は15年分です。ただし、いきなり過去問から始めるのではなく、教科書と問題集を終えてから入ります。3月に勉強を始めた場合の目安を、年間の流れとして載せておきます。3分野を並行して進める前提で組んでいます。

時期やること
3月〜5月3分野とも教科書を通読する(1周目)。語句を覚えながら読み、途中から問題集の計算問題も始める
6月〜8月教科書の2周目と問題集の2周目。8月末に、教科書の語句と問題集が8〜9割できている状態を目指す
9月〜11月上旬過去問に入る。1周目・2周目・3周目と回し、できなかった問題を潰していく
11月中旬〜試験直前知識問題を詰め込み直し、過去問で残った穴を埋める

1周では覚えきれませんし、解けるようにもなりません。教科書も問題集も2周を前提に計画を立ててください。『財務会計講義』の通読だけで3か月ほどかかります。

過去問を始める時期は、遅くとも10月中です。11月から始めると、10年分ほどで試験日を迎えることになりがちです。教科書や問題集が終わりきっていなくても、10月になったら過去問に移り、分からないところで教科書に戻るほうが、結果として早く仕上がります。

もうひとつ気をつけたいのが、8月末に覚えた知識を試験日まで保つことです。知識問題の対策は9月以降も続けてください。11月中旬あたりから、もう一度詰め込む時間を取っておくと安心です。

なお、会計・経済・投資理論を1分野ずつ順番に片づけたい方には、この表はそのままでは合いません。ご自身の進め方に合わせて組み直してください。また、本番はCBT方式ですので、過去問を解くときは時間を測り、3分野の時間配分を決めておきましょう。

解けなかったときの戻り方

過去問の1周目で合格点を超える方は、ほとんどいません。20点から40点くらいが普通です。ここで落ち込んで勉強が止まってしまうのが一番もったいないので、1周目の点数は今の位置を知るための材料だと考えて、復習に時間を使ってください。

復習で意識してほしいのは、できなかった問題だけをストックして繰り返すことです。できた問題を何度も解き直すのは効率がよくありません。2周目以降は、手を動かして全部解き直すのではなく、問題を見て「この公式を使い、こう立式して、こう計算する」と頭の中で再現してから解答を見る、という進め方をおすすめします。手で書くより何倍も速く回せます。

ただし、理解しないまま解法だけを覚えるのは避けたいところです。同じ論点を別の角度から聞かれたときに手が出なくなります。分からない問題に当たったら、会計なら『財務会計講義』、経済なら『入門|経済学』、投資理論なら『新・証券投資論』の該当箇所に戻って、背景を確認してください。過去問と教科書を往復するのが、結局は近道です。

15年分を仕上げたあとに時間が残ったら、それより前の年度を解く、模擬試験を受ける、問題集で苦手分野を復習し直す、といった選択肢があります。弊社でもアクチュアリー模擬試験を実施していますので、本番と同じ時間配分を試す機会としてご利用いただけます。

よくある誤解

「会計は捨てて、経済と投資理論で点を稼げばよい」

KKTには分野ごとの最低ラインがあるため、この作戦は取れません。投資理論で満点を取っても、会計が最低ラインに届かなければ不合格です。指導をしていても、あと一歩で不合格になった方の多くは会計でつまずいています。会計は「捨てる」分野ではなく、「最低ラインを確実に超える」分野だと考えてください。

「過去問を15年分やれば会計も大丈夫」

経済と投資理論はそのとおりですが、会計には当てはまりません。過去問と似た問題が出にくいうえ、古い年度は解答が現在の基準と合わないことがあります。会計の得点は『財務会計講義』の習熟度に比例して上がっていきます。

「教科書を完全に理解してから過去問に進むべき」

教科書の理解にこだわって過去問を始めるのが遅れた方のほうが、合格からは遠のきます。特に投資理論は、教科書を読むだけでは腑に落ちない箇所が多く、過去問を解くなかで分かってくることが少なくありません。1周目は広く浅く読み、あとは過去問と往復してください。

おわりに

繰り返しになりますが、KKTの学習では以下の2つがポイントです。

  • 「会計」対策としては、財務会計講義をしっかり暗記する
  • 「経済」「投資理論」対策としては、過去問を丹念に繰り返す

この2つを常に頭に置きながら勉強していきましょう

理系の私としては、一次試験の中で、KKTが一番しんどかった気がします。特に、『財務会計講義』の暗記が一番大変でした…

しかし、KKTの勉強は業務にも役立ちます。特に「会計」は二次試験にもつながってきます。アクチュアリーとしての自己研鑽として、是非とも頑張っていただければと思います。
みなさまの合格報告を楽しみにしております。
一緒に頑張っていきましょう!!!
最後までご覧いただきましてありがとうございました!

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この記事の執筆者

松岡 / 日本アクチュアリー会 正会員(FIAJ)
株式会社ACEプロフェッショナル 代表取締役
アクチュアリーの転職支援・試験対策指導に従事

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