アクチュアリーの就職活動

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受験生
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アクチュアリー就活って大変ですか

Donald
Donald

はい、それなりに大変です。

今回は自分自身も経験し、
かつ実際に採用にも携わったことがある私が

「アクチュアリー就活」

について話ができればと思います

はじめに

アクチュアリー(Actuary)とは、数学と統計学の知識を活用し、保険数理やリスク管理の専門家として、保険会社にとって不可欠な人材です。

以前の記事でも紹介しましたが、アクチュアリーは「高年収」「ワークライフバランス」「やりがい」など多くの魅力があります。

今回は、アクチュアリーになりたいという人に向けて、アクチュアリーの就職活動について、解説をしたいと思います。
特に本記事は、大卒の新卒一括採用を念頭に書いております。
就職活動に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

もちろん、この記事は私の独断と偏見で書いているので、反対意見があれば、是非コメント欄で教えていただければと思います。

1.アクチュアリー新卒採用の流れ

年度によって、多少なスケジュールの前後はありますが、大まかなスケジュールは、「インターン期間」と「選考期間」の2つに分かれます。
①大学3年(大学院1年)夏・冬:インターン期間
②大学4年(大学院2年)春:選考期間
それぞれ細かく見ていきましょう。

①大学3年(大学院1年)夏・冬:インターン期間

アクチュアリーの新卒就活は各社比較的長い期間をかけて行うことが一般的です。
主に大学生の夏休み(8月~9月)、冬休み(1月)の時期に、インターンシップが実施されることが多いです。

したがって、夏のインターンに参加するためにも、6月ぐらいから動き出す必要があります。早めに動き出した人は1年弱就職活動を行うことになります。

インターンの形式は以下の形が一般的です。

□1Dayインターン
通常、1Dayインターンは、企業の基本的な情報(会社の紹介、アクチュアリーの紹介など)を理解する機会として提供され、説明会のようなイメージです。

□2-5Daysインターン
複数日程(連日)のインターンシップが行われます。会社によっては泊まり込みで行うところもあります。アクチュアリーが主催しているもので、Excelなどを使って具体的な業務体験を行い、グループワークでの発表の機会が多いです。

たまに、勘違いしている人がいますが、全てのインターンは採用に直結していると考えておいた方がいいです。
実際に、
「グループワークでの振る舞いはどうか」
「リーダーシップはあるか」
「コミュニケーション能力はあるか」
「アクチュアリーになるための地頭があるか」
などが、観察され、選考の時の参考材料となります。

しかし、数日で採用担当がすべてを把握できる訳もないので、実際は
「不採用人材(コミュニケーション能力が全くないなど)」と
「優秀な人材(喉から手が出るほどほしい)」を確認しています。
したがって、ここで目立たなくても、及第点をとることができれば、後の選考で採用される可能性は大いにあります。

②大学4年春:選考

大学4年の春には、本格的な選考プロセスが始まります。
典型的な選考プロセスは以下です。

ES(エントリーシート)

選考に応募するならどこの会社でもあるエントリーシートです。自己PRや学生時代に最も力を入れたこと(いわゆるガクチカ)を文章にして書きます。

アクチュアリー採用の場合には、「なぜアクチュアリーを目指そうと考えたのか」を追加で聞かれることがほとんどです。面接で何回も聞かれる内容なので、整理して、自信を持って喋れるようになりましょう。

エントリーシートの中身も大切ですが、特に気にしてほしいのは、論理的な文章になっているかどうかです。特に、仕事で文章を書く機会はたくさんありますので、エントリーシートの段階で支離滅裂な内容だと、採用する気にはなりません。大学生のガクチカなどは、正直中身は似たり寄ったりな部分はありますが、最低限論理的な文章にしましょう。もし、不安なら、友達や先輩に添削してもらうのがよいでしょう。

SPI(スピリチュアル・アンド・パーソナリティ・インデックス)

SPIは主に能力検査と性格検査に分かれており、面接などの選考の足切りとして利用されます。
能力検査は、読解力などの基礎学力をはかるものです。アクチュアリー志望の方はそれなりの学歴がある方がほとんどなので、ここでつまづいている人はあまり見たことはありません。ただ、対策をしないのも不安かと思いますので、問題集一冊ぐらいをやってみてもよいかと思います。私は苦手なとこだけやりました。私がやったものを載せておきます。

ただ、アクチュアリー採用の場合はアクチュアリー採用専用の数理試験の方が重視されます。(後述します)

また、意外と選考では、性格診断に重きが置かれており、「ストレス耐性はあるか」「会社の風土にあっているか」「回答に矛盾がないか」などが見られています。企業が求めている人物像からかけ離れている場合は、その時点で不採用となる場合があります。
ただ、就活生が事前にできることはなにもないので、自分に正直に回答するようにしましょう。性格診断で落とされたら、そんな会社こっちから願い下げぐらいの気持ちでよいかと思います。

数理試験

アクチュアリーを目指す上での基本的な数理能力をはかります。

基本的な内容は大学受験の数学(確率、微分積分など)が中心です。たまに、線形代数や統計学などの大学で習う範囲が出ますが、解けなくても問題ありません。数理試験も足切りが目的なので、高い点数は必要なく、及第点が取れればよいです。

数理試験対策でなにをすればいいですかとよく聞かれますが、一次試験の数学を受ける(もしくは勉強する)がよいと思います。

私が学生の頃は、数検一級の勉強をした方がいいと言っている人もいましたが、範囲が違うかつ、やり過ぎな気がします。

結局、アクチュアリーを目指していると思うので、一次試験の数学を勉強してみるのが、最も効率的だと思います。実際に数理試験作ってる側は、数学の過去問を横目に作ってます。

ちなみに既に数学を受かっている人は軽く復習で問題ないです。なんなら数学を受かっている人は数理試験免除の会社もあります。

数学の初学者には、こちらの本が取っ付きやすく、おすすめです。

面接

各社、採用の中で一番重要視しているステップです。
複数の人との面接を経て、候補者のコミュニケーション能力や会社風土にあっているかが確認されます。

面接は三段階ぐらいに分かれるのが一般的です。
①スタッフ層との面接(2-3人)
②課長・部長クラスとの面接(1-2人)
③役員クラスとの面接(1人)

各面接30分が基本ですが、たまに1時間でやる場合もあります。

また、①の段階では、1対1の面接ではなく、3対1やグループディスカッションなど、複数の候補者と行う場合があります。

聞かれる内容は、
エントリーシートの深堀りや
「なぜアクチュアリーになりたいのか?」
「なぜ当社なのか?」
などの一般的な内容です。

回答に窮するような質問をされた経験は私はありませんでした。ただ、もし想定外の質問をされても、慌てることなく回答しましょう。重要なのは、今まで話していることの一貫性ですので、筋が通っていれば何を言っても問題ありません。

正直、「面接で就活生のなにが分かるんだ」と就活生時代にも思いましたし、今も採用する立場としても思っています。結局、面接官に好印象に思われるかどうかという主観的なものです。

就活生は、典型的な質問やESの深堀をされても、答えられるように準備しておきましょう。

最後は面接官の好き嫌いや採用枠の兼ね合いで、合格と不合格が決まります。したがって、あまり考え過ぎないで、落ちたらドンマイぐらいの気持ちでよいかなと思います。

2. よくある質問

就活に関して、よくある質問にお答えします。

学歴フィルターはありますか


多くのアクチュアリーの採用プロセスでは、学歴は一つの要因として考慮されますが、必ずしも最重要視されるわけではありません。重要なのは数学や統計学のスキル、適性、経験などです。一流大学を出た方が有利かもしれませんが、それがすべてではありません。

科目持ちが有利ですか


アクチュアリーになるためには、数学や統計学、生命保険数理などの専門知識が不可欠です。これらを学ぶことができる1次試験の科目に受かっていることは、働く上での基礎知識を保有していることの証明になります。したがって、科目があった方が就職活動に有利なのは間違いありません。

ただし、科目がなければ落ちるというわけではなく、あったらベター程度で思っておけばよいです。重要なのは、将来正会員になることを示すことなので、科目をもっていないなら、働きながらでも勉強できることなどを面接なのできちんと主張できるとよいかなと思います。

インターンにいった方がいいですか

はい。いった方がいいです。

インターンに行かなくても採用ルートに乗れることはありますが、インターンに行った方が選考の進みも早いです。実際、大手企業の場合、採用される人の7-8割ぐらいがインターンから参加している人たちです。

また、会社によって制度や雰囲気はかなり異なるので、実際に自分の目で確認した方が良いと思います。

他にも、就活の仲間を作るという意味でも、参加したほうがよいです。私も就活時代の仲間とは、今でも定期的に飲みに行って、情報交換しています。アクチュアリーとして働く上で、利害関係のない内に繋がりをもっておくことは後々にも役に立ちます。

もちろん、授業や研究で忙しいと思いますが、なるべく参加することをおすすめします。

面接対策はなにをしたらいいですか

模擬面接など色々やれることはあるかと思いますが、最も効果的なのはESの深堀りだと思います。

ESの一文一文について、「なぜその決断したのか」「具体的にどう対処したのか」など、自分で想定問答を作ります。最終的には、ESの中身について「熱く」語れるレベルになるのが好ましいです。

面接官はESを読んでから参加しており、ESについて色々質問してくるのがほとんどですので、これで8割程度対策可能です。

あとは、自分に嘘をつかずに、素直に答えましょう。面接は対策の終わりがないので、ある程度の諦めは精神衛生上大切です。

就活の最初はなにをしたらいいですか

とりあえず就活サイトに登録して、気になる会社の説明会やインターンに参加してみましょう。

一回行ってみると、「アクチュアリーとはなんなのか」「今後なにをしたらいいのか」「選考はどう進むのか」が具体的に見えてきます。

百聞は一見に如かずです。とりあえず行ってみましょう

おわりに

本日はアクチュアリーの就活について、書いてみました。就活生時代のメモ帳や日記を読み返したりして、なんか懐かしい気持ちになりました(笑)

就職活動は面接官のなんとなくで判断されるのが実態なので、正直納得感のない結果になることが多いです。精神的に負担のかかる活動なので、ご自身の体調にはご留意頂ければと思います。

まぁ、今は転職時代なので、新卒の会社が自分の納得できる会社でなくても、問題ありません。気楽にいきましょう。

みなさまの成功をお祈りしています。

これからもAC育成塾では、みなさまのアクチュアリーとしてのキャリアに役立つ情報を発信していきます。これからも一緒に頑張りましょう!

今回の記事が、アクチュアリーを目指している方の参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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