どうもこんにちは。ACEプロフェッショナルの松岡です。
アクチュアリーとしての就職活動を考えているものの、実際にどのようなスケジュールで進むのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
本記事では、アクチュアリー就活の全体的なスケジュールと、アクチュアリー就活特有な選考プロセスである「数理試験」について詳しく解説します。本記事を読めば、アクチュアリー就活の全体像を理解し、スムーズに準備を進めることができるでしょう。ぜひ最後までお読みください!
※本記事は2025年2月8日に開催された「アクチュアリー就活生向け 25卒内定者座談会」の内容を基に執筆しています。年度によってスケジュールが変動する可能性があるため、あくまで目安としてご認識ください。
なお、この記事には、正会員として就活生の指導と採用の両方に関わってきた松岡が、あとから補足を加えています。以下で「私」と書いているのは松岡です。
また、選考の後半にあたる面接で、面接官がなにを見ているのかについては、YouTubeでも解説しています。スケジュールの全体像をつかんだあとの準備として、あわせてご覧ください。
結論:動き出しは大学3年の5月、山場は夏インターンの数理試験
先に結論を書きます。アクチュアリー就活は、大学3年生(大学院1年生)の5月に日系大手生命保険会社の夏インターンシップ選考が始まり、そこから夏・秋・冬のインターンシップを経て、1月から2月ごろに本選考、3月から4月にかけて内定という順序で進みます。動き出す時期は、大学3年の春です。
そして、この流れの中で最初につまずきやすいのが数理試験です。一般的な就職活動と違って、アクチュアリー採用では面接の前に数理試験で数理的な素養を確認する会社が多く、ここを通らないと面接に進めません。逆に言えば、数理試験を通ってしまえば、面接で数理的な力を改めて問われることは多くありません。ですから準備の順序としては、数理試験を先に片づけるつもりで組むのが現実的です。
私自身がアクチュアリーという職業を知ったのは、大学3年生の6月ごろでした。就職活動を始めようと思って「数学 職業」と検索して、そこで初めて出会いました。つまり、日系大手の夏インターンシップの選考が動き出したあとに知ったことになります。それでも、そこから準備をしてアクチュアリーになることはできましたので、「もう5月を過ぎている」という方も、ここで諦めることはありません。ただし、早く知っておいたほうが選べる会社は増えます。
なお、アクチュアリー就活ガイドは4本組になっています。この記事が①で、スケジュールと数理試験を扱います。面接の話は②以降にまとめてありますので、必要なところから読み進めてください。
- ①スケジュール・数理試験編(本記事)
- ②【アクチュアリー就活ガイド】②面接の内容編:面接で実際に聞かれる内容と回答例
- ③【アクチュアリー就活ガイド】③面接準備・失敗談編:面接の準備の進め方と失敗例
- ④【アクチュアリー就活ガイド】④就活生へのアドバイスとQAセッション編:内定者からのアドバイスと質疑応答
就職活動の全体像や、面接官が見ている点から確認したい方は、アクチュアリーの就職活動をご覧ください。資格と仕事の関係から知りたい方は、アクチュアリーになるには|大学・文系の疑問に正会員が回答が入口になります。
アクチュアリー就活のスケジュール
1. 就活スタート(5月〜)
アクチュアリー就活は、B3(学部3年生)またはM1(修士1年生)の5月頃からスタートするのが一般的です。最初に始まるのは日系大手生命保険会社の夏インターンシップ(以下、夏IS)の選考です。これを皮切りに、以下のようなスケジュールで進んでいきます。
2. 夏インターンシップ(6月〜8月)
夏ISのスケジュールは以下の通りです。
- 5月:日系大手生命保険会社の夏インターンシップの選考開始
- 6月:日系損害保険会社の夏IS選考開始
- 7月:信託銀行の夏IS選考開始
- 8月:インターンシップ実施
日系中小生命保険会社の夏ISは実施企業が年々減少しているため、応募の際は注意が必要です。
3. 秋インターンシップ(9月〜11月)
夏ISが終わると、外資系生命保険会社の秋インターンシップ(秋IS)の選考が始まります。主なスケジュールは以下の通りです。
- 9月〜10月:秋ISの選考開始
- 11月:秋IS実施
ただし、この時期はアクチュアリー試験の直前期でもあるため、受験勉強との両立が必要になります。そのため、就活の動きが比較的落ち着く時期です。
4. 冬インターンシップ & 本選考(12月〜2月)
秋ISが終わると、12月頃から冬インターンシップ(冬IS)の選考が始まります。
- 12月〜1月:冬ISの選考と実施
- 1月〜2月:本選考スタート
この時期から、夏ISを経由した本選考のオファーが増え始めるため、就職活動が本格化します。冬ISと並行して、本選考対策を進めることが重要です。
5. 内定(3月〜4月)
本選考を終えると、3月から4月初旬にかけて内定が出始め、就活が終了します。複数の企業から内定を獲得し、進路を決める人が多いです。
就活スケジュールのまとめ
アクチュアリー就活の流れをまとめると、次の通りです。

大学の授業や研究、アクチュアリー試験との両立を考えながら、計画的に就活を進めることが大切です。早めにスケジュールを把握し、余裕を持って準備を進めましょう!
スケジュールから逆算して、いつなにを準備するか
スケジュールが見えたところで、次に決めたいのは、どの時期になにを準備するかです。就活生の相談を受けていて多いのは、順序を決めないまま全部を同時に進めようとして、結果としてどれも仕上がらないという状態です。目安として、私ならこう組むという順序を書いておきます。
大学3年生の春までは、数理試験の下地づくりに時間を使うのがよいと思います。ここでいう下地は、アクチュアリー試験1次試験の「数学」で扱う範囲です。5月に選考が始まってしまうと、この下地を作る時間はほとんど取れなくなります。
6月から8月の夏インターンシップの時期は、エントリーシートと数理試験に集中する時期です。複数の会社の選考が同時に進みますから、ここで新しく勉強を始める余裕はあまりありません。
12月から2月は面接が中心になります。面接の準備は、この時期になってから始めると間に合わないことがあります。理由は、話し方や伝わり方は一朝一夕で身につくものではないからです。なにを聞かれるのかは【アクチュアリー就活ガイド】②面接の内容編に、準備の進め方と失敗例は【アクチュアリー就活ガイド】③面接準備・失敗談編にまとめていますので、夏のうちに一度目を通しておくと動きやすくなります。
秋は、就活より試験を優先してもよい時期です
9月から11月は秋インターンシップの選考が動く時期ですが、同時にアクチュアリー試験の直前期でもあります。私は、ここは1次試験の勉強を優先してよい時期だと考えています。理由は2つあります。1つは、秋インターンシップに参加できなくても、冬インターンシップと本選考の機会が残っていることです。もう1つは、1次試験の「数学」に合格していれば、そのまま数理試験の下地になり、冬から先の選考で効いてくることです。
大学院に進むか迷っている場合の時期の重なり
学部3年で就職活動をして、そのあとで大学院に進むという順序も取れます。内定を得てから大学院を受験した方もいらっしゃいます。ただし、内定を辞退するときの伝え方には配慮が必要です。大学院への進学も考えていると先に伝えたうえで選考を受けるのであれば問題は少ないと思いますが、御社しか受けていないという言い方をしたあとで辞退すると、印象はよくありません。
そもそも大学院に進むかどうかの判断軸は、アクチュアリー志望者は大学院に行くべきか?判断のための徹底ガイドにまとめています。ここでは時期の重なりだけに触れました。
数理試験とは?
アクチュアリー就活において、一般的な就職活動とは異なる特徴として「数理試験」があります。アクチュアリー正会員になるための素養があるかを確認するために、「数理試験」を課す会社が多いので、万全な準備が必要です。
補足すると、数理試験が面接より前に置かれているのには理由があります。新卒のアクチュアリー採用では、数理的な素養があるかを面接で確かめるのではなく、その前の数理試験で確認している会社が多いのです。ですから数理試験は、落とすための試験というより、その先の選考に進むための確認と捉えたほうが実態に近いと思います。
この順序がわかると、準備の配分も決まります。数理試験を通った先の面接では、数理的な力を改めて問われることは多くありません。そこで見られるのは別のもので、その中身はアクチュアリーの就職活動で面接官の視点として、【アクチュアリー就活ガイド】②面接の内容編で実際に聞かれる質問として整理しています。数理試験の準備と面接の準備は別のものとして、時期を分けて考えてください。
正会員になるまでの順序や、大学・学部の選び方といった前提から整理したい方は、アクチュアリーになるには|大学・文系の疑問に正会員が回答もあわせてご覧ください。
1. 数理試験の内容
数理試験では、以下のような内容が問われることが多いです。
- 微分積分
- 確率・統計
- アクチュアリー試験の基礎レベルの問題
企業によっては、より高度な問題が出題されることもあります。
ここで一つ、言葉の受け取り方に注意しておきたいことがあります。数理試験で問われる範囲は、アクチュアリー試験1次試験の「数学」と大きく重なります(1次試験の科目構成は日本アクチュアリー会「アクチュアリー資格取得の流れ」に公開されています)。そして「数学」は、微分積分、数列の計算、確率の計算ができれば解ける基礎的な試験だと説明されることが多いです。
ただ、この「基礎的」という表現は、理系で数学を続けてきた学生を基準にした言い方だと私は思っています。私も大学受験では数学が得意なほうでしたので、指数関数の微分積分や等比数列・等比級数の計算は、理系であればできるものだと思っていました。けれども、大学受験で数学IIIを扱っていない場合、同じ範囲を仕上げるまでに必要な時間はかなり違ってきます。「基礎的」という言葉を見て、短い期間で足りると判断しないほうが安全です。
私自身のことで言えば、1次試験を突破できた要因のうち大きかったのは、シグマ計算や微分積分で手が止まらなかったことです。逆にこの2つで手が止まる状態のまま数理試験に臨むと、問題の意味はわかっても時間内に終わらないという形でつまずきます。まずは計算で手が止まらない状態を作ることを、対策の最初の目標に置いてください。
2. 数理試験の重要性
数理試験の結果によっては「足切り」が行われる企業もあります。そのため、十分な対策が必要です。特に、インターンシップ選考で数理試験を突破できなかった場合、本選考の際に厳しくなるケースもあります。
足切りという言葉は不安をあおりますので、夏のインターンシップ選考で数理試験を通らなかった場合の考え方を補足しておきます。まず、夏でつまずいても、秋インターンシップ、冬インターンシップ、本選考と機会は残ります。夏の結果でその年の就職活動が決まるわけではありません。
ただし、同じ準備のまま冬に臨むと、同じところでつまずきます。夏に手が止まった分野を控えておいて、9月から11月の試験直前期に1次試験の「数学」としてまとめて仕上げるのが、もっとも無駄の少ない立て直し方だと思います。
もう一つ、受けた数理試験を、解けたか解けなかったかだけで終わらせないことをおすすめします。どの分野が出たのか、時間が足りなかったのか、計算で止まったのか、方針が立たなかったのかを分けて書き残しておくと、冬までの勉強の順序が決まります。就活仲間と情報を共有する場合も、この粒度まで整理してからのほうが役に立ちます。
3. 数理試験の対策方法
数理試験を突破するための対策として、以下の方法が有効です。
- アクチュアリー試験「数学」の復習
- 特に確率・統計は頻出です。
- 過去問や模擬試験を解く
- 企業によっては過去の出題傾向を公開している場合や、就活の先輩から過去問をもらえることもあるため、情報収集が重要です。
- 就活仲間と情報共有
- 他の受験者と試験の傾向を共有することで、より効果的な対策ができます。
対策の順序を、もう少し具体的に補足します。数理試験そのものの過去問は手に入らないことが多いので、軸に置くのはアクチュアリー試験1次試験の「数学」の過去問です。過去の試験問題は日本アクチュアリー会のサイトで公開されていますので、費用をかけずに始められます。使い方は【アクチュアリー1次試験】過去問の使い方にまとめました。
範囲の全体像と、どの分野から手をつけるかは数学の勉強方法【アクチュアリー試験】で解説しています。就活の数理試験のためだけに新しい教材を増やす必要はありません。1次試験の「数学」の勉強がそのまま数理試験の対策になりますので、1本にまとめてしまったほうが、限られた時間を使い切れます。
「数学」の勉強の進め方については、動画でも解説しています。
よくある誤解
就活生の相談を受けていて、スケジュールと数理試験について実際によく出てくる思い違いを3つ挙げます。
誤解1 就職活動は大学3年の秋から始めればよい
一般的な就職活動のイメージだとそうなりますが、アクチュアリー採用では日系大手生命保険会社の夏インターンシップ選考が5月から動きます。秋から始めると、この入口を一つ見送ることになります。道がなくなるわけではありませんが、選べる会社の数は減ります。
誤解2 数理試験はSPIのような適性検査の一種である
この2つは別のものです。SPIは幅広い業界で使われる適性検査で、数理試験はアクチュアリー採用で課される数学の試験です。対策の中身も違いますので、SPIの問題集を何周しても数理試験の準備にはなりません。数理試験の対策は、1次試験の「数学」の勉強だと考えてください。
誤解3 秋に就職活動を止めると出遅れる
9月から11月はアクチュアリー試験の直前期と重なるため、就職活動の動きそのものが落ち着く時期です。ここで試験の勉強に寄せたからといって、出遅れることにはなりにくいと考えています。むしろ、試験にも就職活動にも中途半端に時間を割いて、どちらも仕上がらないほうが痛いです。
まとめ
本記事では、アクチュアリー就活のスケジュールと、特徴的な選考プロセスである数理試験について解説しました。
- アクチュアリー就活は、「夏IS(6月〜8月)→秋IS(9月〜11月)→冬IS & 本選考(12月〜2月)→内定(3月〜4月)」という流れで進む。
- 数理試験は多くの企業で実施され、対策が必要不可欠。
- 就活同期や先輩との情報共有が大切。
アクチュアリー就活は、学業および試験勉強との両立が求められるため、計画的に進めることが重要です。本記事が皆さんの就職活動の一助となれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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この記事の執筆者
松岡 / 日本アクチュアリー会 正会員(FIAJ)
株式会社ACEプロフェッショナル 代表取締役
アクチュアリーの転職支援・試験対策指導に従事


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