「アクチュアリーはやめとけ」
って先輩に言われたけどほんとですか?
その方にはきっとあわなかったのでしょう。
高年収などメリットも多いアクチュアリーですが、デメリットがあるのも事実です。
今回は「アクチュアリーのデメリット」
を伝えられればと思います
はじめに
先日の記事でアクチュアリーの魅力について語りました。ありがたいことに意外と反響があり、多くの方にアクチュアリーのメリットが伝わったかと思います。
今回は、実際に、日本アクチュアリー会の正会員として働く私が、アクチュアリーとして働く上でのデメリットについて、解説してみたいと思います。
アクチュアリーになるのに悩んでいるという方をはじめ、キャリアを考える上での参考にしていただければ幸いです。
もちろん、この記事は私の独断と偏見で書いているので、反対意見があれば、是非コメント欄で教えていただければと思います。
アクチュアリーのデメリット
①資格取得が困難
アクチュアリーを目指す際、最大の難関が正会員資格の取得です。アクチュアリー試験は極めて難易度が高く、合格するためには膨大な学習と努力が必要です。
日本アクチュアリー会の正会員になるには、1次試験「数学」「生保数理」「損保数理」「年金数理」「会計・経済・投資理論」の5科目全てに受かり、2次試験「生保コース」「損保コース」および「年金コース」のうちの2科目に受かることが必要です。
つまり、合計7科目に受かる必要があり、正会員になるまでの平均年数は7-8年と言われています。
また、1次試験には各300時間程度、2次試験には各500時間程度必要と言われるほど努力が必要であり、難易度はかなり高いです。
さらには受験生のほとんどが社会人なので、業務と平行して勉強する必要があり、勉強時間の確保が難しいです。
なので、私も受験生時代には、遊ぶ時間は極力減らして、勉強ばかりしていました。
といった感じで私はプライベートの時間を捨てて、試験勉強に励んでいました。
このように、アクチュアリーを本気で目指すなら、「働きながら勉強を継続する」という強い覚悟が必要だと思います。
実際に保険会社に入ってみれば分かりますが、アクチュアリー志望の3割ぐらいが、勉強が辛くなり、正会員になるのを諦める、もしくは一生受かりません。(私も何度も挫けそうになりました)
正会員になるためには膨大な努力が必要です。このことはアクチュアリーを目指す上で、絶対知っておいてほしいです。
もちろん、正会員になることには高年収などのメリットがたくさんありますので、アクチュアリーは魅力ある職業です。ただ、そのメリットを享受するには膨大な努力が必要ということは心に留めておいていただければと思います。
アクチュアリー育成塾では、正会員になるための支援をやっていきますので、覚悟を決めた方は一緒にがんばりましょう!
②業務が多忙
会社や部署にもよりますが、アクチュアリーの仕事は多忙になる場合があります。そもそも金融業界自体が残業が多いので、そこで働くアクチュアリーも残業が多いのは否めません。
プロジェクトや決算業務、役員指示による急な業務などで、多忙な日々を過ごさなければいけないことも多々あります。したがってアクチュアリーとして働く上では、長時間労働を課せられる覚悟はもっておいた方がよいです。
また、アクチュアリーは、責任感のある仕事を短い時間内で処理する必要があり、ストレス耐性や時間管理能力が求められます。
ただし、すべての会社・部署が多忙なわけではないため、就活や転職のときは、残業の実態などをきちんとヒアリングしておきましょう。
また、ワークライフバランスを高めたい方は、アクチュアリー試験に受かって、転職や社内異動をすることが可能です。したがって、業務多忙が嫌だという人は、早く試験に受かって、さっさと転職してしまいましょう!
③収入がバグらない
アクチュアリー正会員になれば、年収1,000万は誰でも達成できますし、キャリアを積めば1,500万、2,000万は達成可能です。
ただし、悪い言い方をすれば、若いうちは年収1,000万止まりです。そのため、20代で1億円貯めてFIRE(Financial Independence Retire Early:経済的自立をして早期退職)することはアクチュアリーでは難しいと思います。
もちろん保険会社の社長になったり、ベンチャー企業に転職してストックオプションで年間1億以上稼ぐという手もありますが、時間がかかりますし、再現性はかなり低い気がします。
また、アクチュアリーは公認会計士や税理士などと異なり、独立して働きにくく、サラリーマン(会社に雇われる身)として働くことがほとんどです。そのため、支出を経費として所得控除に回すことができず、高い所得税を払う必要があります。なので、年収が上がれば税率もあがるので、年収が上がったからと手放しに喜ぶことができません。
アクチュアリーはサラリーマンとしては高年収というメリットがありますが、2,000万以上の収入が欲しいという方にはあまり向かない(わりに合わない)職業かなと思います。
④知名度が低い
アクチュアリーという職業は知名度がかなり低く、一般的な人にとっては馴染みのない職業です。この点が承認欲求や婚活市場に多少の影響を及ぼすことがあるかもしれません。
職業や会社名でチヤホヤされたい方やSNSに載っけて自分の凄さをアピールしたい人は、知名度の低いアクチュアリーは不向きかもしれません。
ただ、アクチュアリーは、保険会社経営において中核的な役割を果たす重要なポジションを担うことが多いため、保険会社の中では一目置かれる存在ではあります。なので、仕事をする上では、アクチュアリーという肩書きはかなり役に立ちます。
あくまで、プライベート向けという意味では知名度は高くありませんが、仕事する上では大したデメリットではありません。
⑤勉強の継続が大変
最初に資格の取得が大変という話をしましたが、実は正会員になったあとも、アクチュアリーは勉強の継続が必要です。
昔のアクチュアリーは電卓を弾いて保険料の計算などをしていましたが、今ではExcelがマストスキルになりました。こうした変化の大きい保険業界だからこそ、新しい知識やスキルを習得することが求められます。
データサイエンス、ERM、英語など、常に新しい分野を学び続けないと、アクチュアリーとしての市場価値は下がる一方です。
知識労働であるアクチュアリーは常に学び続けることが必要なため、生涯勉強し続けるのは嫌だという人はアクチュアリーは向いていないと思います。
おわりに
アクチュアリーは年収などを踏まえて、万人にとって、魅力的なキャリアの選択肢に見えるかもしれませんが、その一方で資格取得の難しさ、業務の忙しさ、年収の限界、知名度の低さ、そして勉強の継続必要性など、デメリットが存在します。
あなた自身のスキル、価値観、将来の目標をよく考えて、アクチュアリーを目指すかどうかを検討することが大切です。
アクチュアリーになることによるメリットだけでなく、自分の向き不向きも考えてキャリアを選択していただければと思います。
今回の記事が、「アクチュアリーになるかを迷っている方」などの一助となれば幸いです。
アクチュアリー育成塾では、みなさまのアクチュアリーとしての成功の支えとなれるように、色んなコンテンツをやっていきたいと思っていますので、これからも一緒に頑張っていきましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました!
コメント