アクチュアリーに必要な資質とは~正会員が解説~

アクチュアリー研修
Donald
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アクチュアリーに必要な資質を私の独断と偏見で解説します

アクチュアリーを目指している方
実際にアクチュアリーとして働いている方
の参考になれば幸いです

はじめに

このブログの読者の方なら、もちろんご存じの方が多いと思いますが、アクチュアリーとは端的にいうと「保険数理の専門家」です。保険料計算、決算、リスク管理等、保険業界の多様な分野で活躍している専門家集団です。

アクチュアリーと正式に名乗るには、日本アクチュアリー会の正会員資格が必要とされていますが、VUCA時代と呼ばれる不安定な保険業界で活躍するには、単なる資格だけでは不十分です。

今回は、日本アクチュアリー会の正会員として働く私が、アクチュアリーとして働く上で必要な資質について、解説してみたいと思います。みなさまのこれからのキャリアを考える上での参考にしていただければ幸いです。

もちろん、この記事は私の独断と偏見で書いているので、漏れている意見や反対意見があれば、是非コメント欄で教えていただければと思います。

アクチュアリーに必要な資質

①学力と資格

はじめにのところで、「資格だけでは不十分」と述べました。しかし、アクチュアリーとして働く上でスタートラインに立つには、それなりの学力とアクチュアリー会の資格が必要です。

学力という点に関しては、アクチュアリーの1次試験に突破できるレベルの数学ができることが必要となってきます。具体的には、微分・積分ができるレベルです。1次試験の数学などに受かるには、大学受験レベルの数学ができることが求められます。(もちろん、文系でも受かる人はいるので、必須ではないですが、あった方がよいと思います)

アクチュアリーになった方・目指している方の中には、GMARCH以上の学歴がある人がほとんどなのも、ある程度の数学力が求められるからだと思います。

資格という点に関しては、アクチュアリーとして働くなら、1次試験の複数科目は最低限必要です。特に私は生命保険会社の人間なので、「生保数理」が分かっていないと、仕事にならないと肌で実感しました。

また、2次試験で学ぶ「商品開発」「生命保険会計」「リスク管理」などが分からないとアクチュアリーとして働くのは厳しいと思います。

したがって、アクチュアリーとして働くには、正会員資格をとることが求められます。試験勉強は大変ですが、正会員になったあとには大きな果実となるので、がんばっていきましょう。

②コミュニケーションスキル

アクチュアリーとして働く上では、自分の行った計算や分析結果などを他のメンバーや専門家でない人(アクチュアリーではない上司など)にわかりやすく伝える能力が求められます。

いくら頭が良くて、正会員資格があったとしても、コミュニケーションスキルを持っていないと、ビジネスの場では役に立たないです。きちんと自分の分析結果や意見をわかりやすく伝えて、意思決定に影響を与えることがアクチュアリーに求められます。

またコミュニケーションスキルの話をすると、「俺にはできない」と諦めてしまう人が多いです。私も最初は苦手でしたが、コツを学んで、場数を踏めば、わかりやすく伝えられるようになると思います。勉強・実践して、文章力や資料作成能力、話し方などを鍛えていきましょう。

以下は私が実際に学んだおすすめ書籍です。悩んでいる方の参考になれば幸いです。

「文章力」のおすすめ本
「資料作成」のおすすめ本
「話し方」のおすすめ本

③プログラミングとデータ分析能力

現代のアクチュアリーには、プログラミング言語やデータ分析の知識が不可欠です。

特に保険会社には、大量のヘルスケアデータが集積されています。アクチュアリーは、そのデータから発生率や保険料を算定するという伝統的な仕事から、機械学習などAIを使った分析や予測モデルの開発など、プログラミングやデータ分析能力が求められます。

アクチュアリーとして働く上では、Excel,VBA,Python,Rなど、多様なツールを駆使する能力が求められます。また、データの正確性と信頼性を確保するために、データ分析のスキルも必要となってきます。したがって、プログラミング能力など、データサイエンスの知識がアクチュアリーに求められる資質のひとつです。

「Excel」のおすすめ本
「データサイエンス・VBA」のおすすめ本

④チームワークとリーダーシップ

アクチュアリーの仕事は、ほとんどの場合チームで行われます。当たり前ですが、チームメンバーと協力し、共同でプロジェクトを進める能力が求められます。

私は商品開発が長いので特に実感しますが、1つの商品を出すうえでも、企画・立案、保険料算定、パンフレット作成、システム開発、リーガルチェック、営業研修、事後モニタリングなど、色んな業務があります。これを1人でやるのは事実上不可能で、色んな方の助けを必要とします。

そのために、アクチュアリーとして働く上では、色んな方とプロジェクトを推進できるチームワークが必要です。

また、リーダーシップの力も重要であり、プロジェクトマネジメントや経営企画の立案に関与することもあるため、色んな人を巻き込む力が求められます。人に仕事を依頼することも多々あることから、アクチュアリーとして成功するにはリーダシップが必要であると思います。

「チームワーク」のおすすめ本
「リーダーシップ」のおすすめ本

⑤倫理観

アクチュアリーは、経営陣やクライアント(コンサル会社の場合)に対して信頼性のある情報とアドバイスを提供することが求められます。したがって、倫理感を常に持ち、正確な情報を提供することが必要です。

「適切にリスクを評価して、経営陣の耳が痛くなるようなこともきちんと伝える」ことが会社のリスク管理をするアクチュアリーとして適切な行動です。

社内での信頼を築き、さらに保険業界の評判を良好に保つためにも、アクチュアリーが、常に正直かつ誠実に業務を行うことが大切です。

「アクチュアリーの行動規範」を日本アクチュアリー会が制定しておりますので、アクチュアリーとして働く上で、ご一読をおすすめします。

⑥持続的な学習と成長

医療技術や社会のトレンドなど、保険業界の環境は常に変化しています。アクチュアリーとして働くためには、常に新しいトレンドや技術を学び続け、自身のスキルと知識をアップデートし続ける姿勢が重要です。持続的な学習と成長によって、常に最新の情報を取り入れて、社内での価値・アクチュアリーとしての市場価値を高め続けましょう。

正会員になって終わりではなく、さらなる高みを目指すことが、アクチュアリーとしてのプロフェッショナリズムだと私は思います。

学びたいアクチュアリーの周辺知識

・英語
・データサイエンス
・CERA(リスク管理)
・コンピューターサイエンス
・気候変動
・資産運用
・その他領域(生保の人なら損保・年金)

おわりに

アクチュアリーとしての成功は、単なる正会員資格だけでなく、多様な資質を持つことによって成し遂げられます。コミュニケーションスキル、プログラミングとデータ分析スキル、チームワークとリーダーシップ、倫理観、そして持続的な学習と成長の意識が、アクチュアリーのキャリアにおいて成功を支える鍵となります。

これらの資質を継続して伸ばすことで、アクチュアリーとして価値を発揮して、キャリアを築いていくことができます。保険業界をはじめ、アクチュアリーの世界は常に進化し続けており、求められるスキルや資質も変わっていきます。

そのため、これからの時代においても自己成長と学習を続け、新たなトレンドや技術に対応する準備を一緒に行っていきましょう!

アクチュアリーとしての資質向上は、キャリアのステップアップだけでなく、業界全体の成長や発展にも寄与すると考えられます。特に近年はアクチュアリー社長も増えており、保険業界や金融業界におけるアクチュアリーの存在感や重要性は増しつつあります。アクチュアリーが今後も保険業界を引っ張る存在になれるように、アクチュアリーとしての資質を養い、保険業界の進化に貢献し続けることが求められると思います。

確かに、アクチュアリーになるのはかなりチャレンジングであり、多大なる努力と高度な専門知識が求められるものです。しかしその分、仕事のやりがいや満足感も大きいです。分析に裏打ちされた意思決定がビジネスに影響を与える瞬間や、新たなリスクへの解決策を見つけ出す瞬間は、アクチュアリーとしてのキャリアの醍醐味です。常に勉強・成長し続ける姿勢を持つことで、アクチュアリーの道を歩み、成功へと進むことができるでしょう。

AcDonald’sでは、みなさまのアクチュアリーとしての成功の支えとなれるように、色んなコンテンツをやっていきたいと思っていますので、これからも一緒に頑張っていきましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました!

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