【生保1】2025年度解答速報#1(小問)|アクチュアリー試験

松岡
松岡

2025年度の生保1小問の試験問題を解説します。



問題については、日本アクチュアリー会のサイトから引用させていただいております。
https://www.actuaries.jp/examin/2025exam/20251212/2025-G-1212.pdf

※本解答速報は、試験問題に対する参考解答を提供するものであり、公式解答ではありません。正確な解答は、日本アクチュアリー会が発表する公式情報をご確認ください。
本情報の作成には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。本速報を利用することで生じるいかなる結果についても、当方は責任を負いかねます。

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解答作成は松岡が担当しました。

1-1.生命保険の一般的な商品開発プロセス(穴埋め問題)

問題

解答

①(G)想定顧客層の市場規模,(H)競合環境における優位性や差別化要素,(A)顧客や販売チャネルへの魅力度
②(B)商品の基本設計,(C)実現可能性,(F)販売量と財務収支の概算見通し
③(E)危険選択
④(D)認可取得

解説

『生命保険の商品開発』テキスト本文(4-8~11)からの穴埋め出題。

過去にも類似問題はないと思われます。一つの選択肢に複数記載させるのは斬新な設定ですね。すべての語句を使うということで、③、④から先に解いて、①,②をあてはめにいくのが、現実的な解法だと思います。

また、昨年から選択肢を選ばせる傾向は継続です。この分、暗記は楽になりますが、来年は傾向が変わる可能性があるので、穴埋めでも問題ないように準備しておきましょう!

1-2.生保標準生命表2018(死亡保険用)の作成(穴埋め問題)

問題

解答

A:選択効果
B:東日本大震災
C:10
D:95

解説

生保標準生命表2018からの穴埋め出題。過去に中問でも出ているので、押さえておきたいですね。

1-3.監督指針(穴埋め問題)

問題

解答

(ア)T 普通保険約款
(イ)B 保険業法
(ウ)H 取締役
(エ)AA 経営計画
(オ)S 健全性維持
(カ)AD 相互牽制
(キ)W 道徳
(ク)K 保険計理人

解説

保険会社向けの総合的な監督指針からの出題です。これは満点取りたいですね。

1-4.変額年金保険(穴埋め問題)

問題

解答

(ア)C 投資信託
(イ)J 銀行窓販
(ウ)G プット
(エ)K 解約
(オ)N 保険関係費用
(カ)Q 最低保証料
(キ)T インザマネー
(ク)U 内部留保

解説

『変額年金保険』のテキストからの出題。過去問でも類題は多い(生保2でも頻出)なので、解けた人は多いかなと思います。

個人的には、保険関係費用と最低保証料は似た用語なので、(カ)をNにしても点を与えていいと思っておりますが、いかがでしょうか。

1-5.非比例式再保険

問題

解答

(ア)
①L 集積
②N 発生率関係
③K 自己保有額
④F 割高

12/15 17:05 ④を修正しました。

(イ)
(I) 65万円

解説

(ア)は教科書の記載ですね。(イ)は類題はないですが、1次試験を突破した方たちであれば、大丈夫かなと思います。

(イ)の計算

1. 前提整理
  • 被保険者数:400人
  • 保険金額:一律 200万円(=2,000,000円)
  • 元受会社が受領する年払純保険料:1人あたり 4,200円
  • 元受の総収入保険料 P=4,200×400=1,680,000円
  • エクセスポイント(免責点):総収入保険料の 1.0 倍
    EP=1.0P=1,680,000
  • 支払限度(再保険金の上限):総収入保険料の 2.0 倍
    L=2.0P=3,360,000

ストップロスの再保険金(年)は、年間総損害額をRとしてR=min(max(SEP,0),L)R=\min\left(\max(S-EP,0),\,L\right)

2. 死亡件数ごとの年間総損害額と再保険金

死亡件数をnn件とすると、S=2,000,000×nS=2{,}000{,}000 \times n

nnでの再保険金R(n)R(n)を計算します。

  • n=0n=0S=0S=0R(0)=0R(0)=0
  • n=1n=1S=2,000,000S=2{,}000{,}000 R(1)=min(2,000,0001,680,000, 3,360,000)=320,000R(1)=\min(2{,}000{,}000-1{,}680{,}000,\ 3{,}360{,}000)=320{,}000
  • n=2n=2S=4,000,000S=4{,}000{,}000R(2)=min(4,000,0001,680,000, 3,360,000)=2,320,000R(2)=\min(4{,}000{,}000-1{,}680{,}000,\ 3{,}360{,}000)=2{,}320{,}000
  • n=3n=3S=6,000,000S=6{,}000{,}0006,000,0001,680,000=4,320,000>LR(3)=3,360,0006{,}000{,}000-1{,}680{,}000=4{,}320{,}000>L \Rightarrow R(3)=3{,}360{,}000

以後 n3n\ge 3は上限に達するためR(n)=3,360,000(n3)R(n)=3{,}360{,}000\quad (n\ge 3)

3. 期待再保険金(=年払純保険料)

確率表(死亡件数分布)を用いて、期待値はE[R]=320,000×0.3626+2,320,000×0.1523+3,360,000×(0.0427+0.0090+0.0015+0.0002+0.0000)\begin{aligned} E[R] &=320{,}000\times0.3626 +2{,}320{,}000\times0.1523 \\ &\quad +3{,}360{,}000\times(0.0427+0.0090+0.0015+0.0002+0.0000) \end{aligned}

となる。よって、E[R]=116,032+353,336+179,424=648,792E[R]=116{,}032+353{,}336+179{,}424=648{,}792\text{円}648,792=64.8792万円648{,}792\text{円}=64.8792\text{万円}

となる。

一言

小問は教科書・監督指針からの出題が多かったので、ちゃんと勉強していれば8割以上は取れた印象です。ただ、初見の問題も多かったので、面を食らった受験生も多かったと思います。考えれば解ける問題も多かったので、初見問題に対する実戦力が本番の合否を分けますかもしれません。

全て選択肢の問題でしたね(採点を楽にしたい意図があるように思います。)。選択肢が多いので、マークミスしないように本番では注意していただきたいですね。

今回点がとれなかった人は、改めて勉強をしましょう。

もし、「自分で勉強を継続するのが苦手」「なにを覚えたらよいかわからない」という人は、アクチュアリー育成塾の試験対策を覗いてみてください。弊塾では、オリジナルの暗記集の暗記を徹底して行うので、合格に最短・最速で近づくことができます。


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